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FRB緊急利下げの「最大理由」とは

| 中央銀行・金融情勢・提言編 | 米国 | 2020年3月06日 |

 FRBは3月3日、緊急FOMCで政策金利(FF翌日物誘導金利)を0.5%引き下げ1.0~1.25%とした。評決はカンサスシティーとボストンの地区連銀総裁が反対したため8:2だった。

FRBは2019年1月に2.25~2.5%で利上げを止め、2019年7、9、11月と0.25%ずつ利下げして政策金利を1.5~1.75%としていた。

 過去の緊急利下げは2001年9月の同時多発テロ直後、MBS市場が変調となった2007年8月(実はこの緊急利下げはバブルを再度加速させ、翌年のリーマンショックを壊滅的な規模にしてしまった)、そしてその2008年10月のリーマンショック直後(この時は日本を除く主要国が協調利下げ)などで、まさに「緊急を要する事態」の措置となる。

 前月の2月にも、トルコ、ロシア、メキシコ、ブラジル、タイ、中国などで利下げが行われていたが、FRBの緊急利下げ直後にはカナダ、香港(通貨をドルペッグしているため自動的に同幅利下げする)、オーストラリアが追随している。

 つまり世界は「新たな利下げサイクル」に入っていることになり、とりわけ米国が「緊急を要する事態」と判断したことになる。

 その理由はコロナウイルスによる世界的な景気低迷・株価急落によるものと考えられるが、中国発のコロナウイルスは2019年12月には認識されており、本年(2020年)1月下旬には中国以外にも感染者が出てパニックが始まっていたはずである。

 ところが世界の株価はほとんど気にせず上昇を続け、NYダウは2月12日に29551ドル(終値、以下同じ)、DAXに至っては2月19日に13789ポイントと、それぞれ史上最高値を更新していた。2019年10月の消費税引き上げの悪影響が出ている日本でも、日経平均は1月17日には24041円の高値となり、世界の各市場とも2月21日頃まではすべて高値水準を維持していた。

 様子が急変したのは2月22~23日の週末で、コロナウイルスによる感染者数が欧州(主にイタリア)、韓国、中東(主にイラン)で爆発的に増加したため、株価も世界的に急落となった。週末の2月28日にはNYダウは25409ドル(週間で12.35%下落)、DAXは11890ポイント(12.34%下落)、日経平均は21142円(9.59%の下落)となった。ただし日経平均は同日夜間のCME先物で20485円まで下落しており、そこまで入れると12.40%と「似たような下落」となる。

 今週に入ってからのNYダウは、週初の3月2日に急落の反動で1294ドル高と史上最大の上昇幅となり、FRBの緊急利下げがあった3日は逆に785ドル安、4日はスパーチューズデイで中道派のバイデン候補が「社会主義者」のサンダース候補を獲得代議員数で逆転したため1173ドル高、そして5日は米国内でもコロナウイルス感染者が増加したため景気減速懸念が再度出てきて969ドル安(終値は26121ドル)と、混乱が止まらない。

 為替市場でもドル安が続き、本日(3月6日)朝方の東京市場では1ドル=106.20円前後となっている。2月20日には一時1ドル=112.22円まで円安・ドル高となっていた。

 ところが実際には「もっと気になる兆候」がある。

 まず米国債市場では10年国債利回りが3月5日に0.90%まで低下している。年初の1.91%、株価急落が始まる直前の2月21日の1.47%から利回りが急落(価格は急上昇)となっている。30年国債も1.52%で、もちろんどちらも史上最低利回りである。

 さらに緊急利下げのあった3月3日に、FRBがレポ市場に翌日物で1000億ドル、2週間もので200億ドル、合計1200億ドルと1日では史上最高額の資金を供給している。それまでの最高額は2019年10月24日の891億ドルだった。さらに翌4日にも1000億ドルを供給しているが、両日とも応募額は供給額をさらに上回っていた。

 このFRBの緊急利下げと、米国債の「異常な」金利低下と、短期金融市場における大量資金供給の組み合わせは、世界的なドル調達不安つまり信用収縮が加速していることを明確に意味している。

 つまり以前から懸念されていた世界的な信用バブル(負債バブル)がまさに「破裂寸前」であることになる。FRBの緊急利下げの最大理由とは、コロナウイルスでも株価下落でもなく、この「信用バブルの破裂懸念」だったはずである。

2020年3月6日

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