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すでに危機的状況だった2019年10~12月期のGDP

| 経済編 | 日本 | 2020年2月18日 |

 内閣府は2月17日、2019年10~12月期のGDP(速報値)を発表したが、実質ベースで前期比マイナス1.6%、年率換算でマイナス6.3%という、事前予想をはるかに下回る「危機的状況」であった。

 2019年10月に消費増税(8%から10%)を強行したことが主な理由であるが、キャッシュレス決済へのポイント還元など「実弾」を数千億円単位で投入したものの、肝心の個人消費は実質前期比で(年率換算ではない!)マイナス2.9%、設備投資も同マイナス3.7%と「すべてが危機的状況」であった。

かろうじて外需が前期比0.5%増加していたが、これは国内景気が低迷しているため輸入が減ったからで、健全な増加ではない。むしろ逆である。

 言うまでもないが2019年10~12月期とは、例のコロナウイルスの猛威により中国経済活動の大幅マイナスの影響はほとんどカウントされておらず、2020年1~3月期は「危機的状況」を超えて「壊滅的状況」となりそうである。

 そもそも先日発表された2019年暦年の勤労者所得は「名目」でマイナス0.3%となっており、そこへ12月の全国消費者物価は総合で前年比0.8%増と「じわじわ」上昇しているため、勤労者の実質所得はもっと減少していることになる。これで個人消費が伸びるはずがない。

 さらに消費増税前の2019年7~9月期の実質GDPは前年比1.8%上昇していたはずであるが、今回の発表で「さりげなく」前年比0.5%に大幅下方修正されている(そこを強調している報道機関は皆無である)。

 つまり勤労者所得が名目でも実質でも減少している中で、経済成長が「本当は」ほとんど成長していなかった2019年7~9月期の数字をかさ上げしてまで(というより発表前だったので日本経済は成長しているとの根拠のない掛け声だけで)消費増税に耐えられると強行してしまった「詐欺的行為」となる。

 今回はその「ツケ」が当然のように出てきただけである。

 まだまだ欺瞞がある。2019年10~12月期のGDPは実質で前期比マイナス1.6%であったが、より実感に近い名目ではマイナス1.3%である。GDP統計はまず実際の経済活動である名目ベースを計算してから、別途計算したGDPデフレーターで修正して実質GDPとして公表する。

 つまり名目ベースの前期比マイナス1.3%というのが、消費増税分や値上げ分を含めた日本経済の「実態」である。ところがここでGDPデフレーターを0.4%としているが、その算定根拠が明らかにされていない。実感では消費増税や円安を含むGDPデフレーターの実感は、その倍くらいあるはずで、実際には2019年10~12月期の実質GDPは前期比でマイナス2.0%、年率でマイナス8.0%くらいだったと感じる。

 のちほど公表される第二次速報値で、また「そっと下方修正」しておくか、何か理屈を考えてもっと持ち上げてしまうかのどちらかであろう。

 そして繰り返しであるが、2020年1~3月期のGDPは、コロナウイルスの影響が企業業績の下方修正に伴う設備投資の減少などにより(正直に公表すれば)年率で二桁のマイナスとなるはずである。

 そこをどう誤魔化すつもりなのかは想像がつかないが、安倍政権の経済政策の限度が見えて来たようである。

2020年2月18日

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