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オリンパス事件を覚えていますか? 闇株新聞を覚えていますか?

| オリンパス | 2019年7月17日 |

 

ご挨拶

 

 闇株新聞が急に皆様の前から消えてから約1年がたちました。主な理由は私の体調がすぐれなかったからです。

 実は体調は半年ほど前から回復しており、枯渇していた「書く意欲」も過去のレベルに近づいています。

 ここで闇株新聞を復活させようと思います。闇株新聞が少しでも世間に認められたきっかけとなったオリンパス事件がほぼ終結したからですが、同時に新しい局面に入ったようにも見えるからです。

 どちらにしてもオリンパス事件は闇株新聞で最後まで(世間が見落としている重要なところも)追求しなければならないと強く感じています。もちろんオリンパス事件だけを取り上げるわけではなく、他の話題も順次取り上げていきます。発行はしばらくは週1回程度となります。

 その後のことは「走りながら考える」ことにします。

 それからオリンパス事件については「新刊本」を出すと告知していました。実は休養中も取材は続けており、表に出ていない(これからも出ないであろう)オリンパス事件についてほぼすべて解明はできています。もちろん原稿もほとんど出来上がっていますが、刑事裁判で唯一残っていた横尾氏らの裁判が終結するまでは出版すべきではないと考えていました。

 その内容によっては検察庁や裁判所を刺激する結果にしかならないからです。

 そして最高裁は本年(2019年)1月22日、横尾氏らの上告を棄却し、横尾氏と羽田氏はオリンパス事件で唯一の実刑判決が確定しました。また他の刑事事件の被告にはなかった追徴金などで計22億円強が没収されます。

 羽田氏はすでに3月に収監されており、横尾氏も間もなく収監となるはずです。従ってオリンパス事件がほぼ終結したため、「新刊本」の出版を急ぐことにします。

 「新刊本」ではその判決も含めた事件全体の矛盾点を、できうる限り公平かつ客観的に書いてありますが、ただ一方的に捜査当局はおかしい、裁判所はおかしいと批判しているわけではありません。

もっと広い観点から捜査当局・裁判所あるいは報道の各システムを掘り下げ、「そもそもなぜオリンパスが事件化したのか?(なぜ東芝は事件化しなかったのか?)」「20年も損失隠しを「自分で」続けてきたオリンパスが、なんで事件化したところだけわざわざ外部の「指南役」が主導したという無理のあるシナリオにしたのか?」「なんで損失隠しに重要な役割を果たしたLGT銀行や監査法人にお咎めがなかったのか?」「なぜFACTAを読んだだけのウッドフォードが損失隠しについてそこまで大騒ぎしたのか?」など基本的なところから切り込んでいます。

 ところがこれまで捜査当局にも裁判所にもマスコミにも「全く相手にされなかった」横尾氏の主張が、ここにきて(解任されウッドフォード元社長の不十分な主張だけで最初に報道してしまった)Financial Timesだけでなく、一部の日本の新聞、週刊誌などにも取り上げられ始めています。

 これは報道機関が、突然に公平な報道をすることにしたわけではなく、検察庁内部の微妙な力関係の変化を反映していると感じます。ゴーン事件の指揮をとる森本特捜部長は、オリンパス事件の主任検事でもありました。強引な捜査で知られる森本特捜部長も、最近の「官邸主導の捜査」や「ゴーンを108日間も拘留したと内外から批判される」なかで、反森本勢力からのリークが続いているような気がします。

 横尾氏と羽田氏は966日も拘留されていましたが、それを批判したマスコミは皆無でした。ところがゴーンはどう見ても「真っ黒」でありながら、108日くらいの拘留で日本でも「おかしい」と批判されていることになります。先述のFinancial Timesの記事もゴーンの108日の拘留を長いと批判する中で、横尾氏は966日も拘留されていたと紹介されているだけです。羽田氏も同じ966日、小野氏も831日の拘留でしたが記事には出てきません。
 
 オリンパス事件は解任されたウッドフォードの不十分な話を聞いただけのFinancial Timesがウラも取らずに記事にしたもので、日本中がその不完全な記事を先入観としたまま事件化してしまいました。Financial Timesの記事がなければ、オリンパスは事件化しなかったかもしれません。そして捜査当局も事件化せざるを得なくなってから、後から大急ぎで「事件の基本シナリオ」を考えたはずです。

 そこでオリンパスを「主犯」だとしてしまうと本格的な経営危機となり、発覚直前の2011年9月期には6653億円まで貸し込んでいたメインバンクの三井住友銀行と三菱UFJ銀行が中心となった銀行団が、回収できなくなる恐れがあったはずです。そこでオリンパスは外部の「指南役」に主導されて有価証券報告書に虚偽を記載してしまった「いわば被害者」とする必要があったわけです。おかげで銀行団は4年後の2015年9月期には残高が半分以下の3161億円となるまで回収することができました。

 今度もそのFinancial Timesの批判(めいた)記事で横尾氏の主張が見直されたとするなら、日本のマスコミは外国メディアが書かないと動かないのか?と言いたくなります。いまさら騒いでも判決は変わりませんが、冒頭に書いたようにいろんな意味で事件は新しい局面に入ったかもしれません。

 本日は、先ほど挙げた中で「なぜFACTAの記事を読んだだけのウッドフォードが損失隠しについてそこまで大騒ぎしたのか?」の答えだけ書いておきます。その直前に名前だけのCEOとなったウッドフォードが、その損失隠しを理由に菊川らを追放して名実ともに最高経営責任者(CEO)になろうとしたことは知られていますが、それだけではありません。

 実はオリンパス事件が発覚した2011年10~11月と全く同時期に、米国ではオリンパスの米国子会社が医療機器販売について、禁止されている医療関係者へのキックバックや利益供与を行っていたことがバレており、オリンパスは最終的に6億4600万ドル(当時の為替で743億円)の罰金を支払っています。その時の米国における医療機器販売の責任者は、欧州子会社の社長でもあったウッドフォードでした。

事件そのものは2016年3月の罰金確定時になってやっとオリンパスが開示していますが、ウッドフォードの関与はどこにも出てきません。つまりウッドフォードは、米国における医療機器販売における不正の責任を問われないよう必死になって損失隠しについて大騒ぎしていたと考えます。

まだまだ大変に奥深いオリンパス事件です。またすぐに続きを書くかもしれませんが、それでも「新刊本」には、まだ知られていない事実が山盛りになっています。

改めてまたよろしくお願い申し上げます。

2019年7月17日

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