2021/03/31(水)

12時07分51秒

闇株新聞

世界の出来事を独自の見解で読み解く 刺激的金融ブログ

検索

電波行政をめぐる総務省幹部の過剰接待問題を「重大な順番に」考える

| 政治・政策提言 | 日本 | 2021年3月13日 |

電波行政をめぐる総務省幹部の過剰接待問題を「重大な順番に」考える

 2月4日発売の週刊文春が、東北新社に勤務する菅首相の長男が総務省幹部を過剰接待していたと報道して今回の騒動が始まった。

 最初のうちは批判が菅首相や内閣広報官となっていた山田真貴子氏(その後退職)に集中した。ところが時間がたつにつれ総務省保守派による改革派の「追い落とし作戦」であることがはっきりしてきた。総務省保守派とは、携帯電話の過剰値下げを食い止め、電波行政で特に優遇されているNHKなどテレビ局の利権を守ろうとする勢力である。

 総務省とは電波行政を司る「たぶん現在で最も取り扱う利権が厚い官庁」である。本来は国民の財産である電波をテレビ局や携帯電話会社に「割り振り」「利用料を徴収する」が、電波がどこにどう割り振られ、どのように利用料が決められているかは全く分からない。

 そこには日本以外の先進国すべて採用している電波オークションによるガラス張りの競争原理は全く働かず、すべて総務省による恣意的で一方的な決定が行われている。当然に国民の財産である電波から上がる利用料が最大限になる努力など全く行われていない。

 テレビ局と携帯電話会社の支払う年間の電波利用料(令和元年分)は、NHKが25億円、関東大手民放は6億円ちょっと、関西大手民放は1億円ちょっと、携帯電話会社ではNTT(当時はドコモ)が184億円、KDDIが114億円(別途UQが76億円)、ソフトバンクが150億円、参入直後の楽天モバイルが8億円である。

 携帯電話会社はテレビ局よりも高額の利用料を支払っているが、まだ値下げ競争前の令和元年当時は各社1兆円規模の営業収入を上げていた。つまり電波利用料は営業収入の1~2%でしかなかった。

 その携帯電話会社より明らかに優遇されているのがテレビ局で、とりわけNHKは25億円の電波利用料に対して6700億円もの視聴料を国民から強制的に徴収している。その比率は0.3%でしかない。

 つまり携帯電話会社もテレビ局も「電波を割り当てられていること自体が利権」であり、各社はその利権を守るために常に総務省幹部を「接待」していたことになる。テレビ局各社には、記事を全く書かない「波取り記者」が総務省内を終日うろつき、総務省幹部との接待スケジュールを決めるだけで高い給料をもらっている。菅首相の長男も「ちょっと高級な波取り記者」だったことになる。

 さてそんな石器時代のような総務省の電波行政に対して「批判的な改革派幹部」も確かにいた。そのトップが菅首相であり、接待が次々「録音テープ」付きで出てきて更迭された幹部は谷脇総務審議官を先頭に「すべて」改革派だったことは当然のよう報道されない。

 携帯電話会社は値下げ競争を強いる菅首相や谷脇審議官ら改革派を苦々しく見ていたはずで、谷脇審議官らの更迭で値下げ競争が緩和され(それなりの)利益が維持されることになる。携帯電話会社よりもっと優遇されているNHKなどテレビ局は、電波オークションに言及した菅首相に対する批判報道をやめない。自らが報道機関で利権を維持する報道しかしないため、それで公平な報道ができるはずがない。

 だから接待した側はNTTばかりが出てきて、NHKなどテレビ局が一切出てこない。またNTTが接待した中には野田聖子、高市早苗両議員が総務大臣時代、さらに武田・現総務大臣にまで接待疑惑が出ている。

 総務省幹部の接待といっても、1988年に発覚した金融機関による「すざまじい」大蔵省への接待攻撃に比べるとケタが2つほど小さい。しかし現職の総務大臣がNTT社長らと会食していたとなると、これは全く違った重大な意味を持ってくる。ここは厳しく処分しなければならない。

 そして最後に(菅首相の長男が勤務していた)東北新社が2017年1月に衛星放送事業認定を申請した2017年1月時点で外国人持ち株比率が20%を超えていたことがようやく表に出てきた。これは接待問題どころではなく、日本の安全保障上の重大問題である。接待問題だけで菅政権を批判することだけが総務省保守派の目的で、日本の安全保障に関する重大問題は「問題が大きいため無視した」ことになる。

 即刻、電波オークションを導入すべきである。また東北新社は上場廃止にすべきである。

2021年3月13日