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日産自動車・西川(さいかわ)CEOの姑息な不正

| 個別企業編 | 個別企業編-その他 | 日本 | 日産自動車 | 2019年9月06日 |

 日産自動車の西川(さいかわ)CEOが、自らが受け取る報酬を不正に水増ししていた事実が「ようやく」明るみに出てきた。

 「ようやく」と書く理由は、2018年11月19日にゴーン会長(当時)とともに逮捕されたケリー代表取締役が、「文藝春秋」7月号(6月10日発売)のインタビュー記事で「西川氏に日産自動車社長の資格はない」と断言するとともに、今回明らかになった不正も具体的に暴露していたからである。しかしその時点では他のマスコミはほとんど伝えることはなかった。

 それがここにきて(9月4~5日になって)、一斉に各社も報道するようになったが、ケリー被告の暴露内容以上に新しいニュースはない。それでは「文藝春秋」が発売された6月10日から3か月もたってから、何で急に各社が取り上げることになったのか?

 そこを解説する前に、西川CEOの不正とは、西川氏を含む複数の日産自動車取締役は「株価連動型報酬(SAR)」を割り当てられており、あらかじめ決められた行使価格に対し各自が決めた行使日の株価との差額に割り当てられた株数を掛けた金額が、現金で支給されることになっていた。

 西川氏は2013年5月14日に行使したものの、日産自動車の株価がその後も上昇したため、いったん決めた行使日を秘書室にごり押しして5月22日に修正し4700万円もの利益を不正に得たというものである。もちろんいったん行使すれば、後から行使日を修正することは「明らかな不正行為」であり、まだ時効になっていない。

 この時点において西川氏が受け取った「株価連動型報酬」の総額は1億5000万円にも上り、ひたすらゴーン被告とルノー本社に対する忠誠心を見せるだけの「ご褒美」が1億5000万円もの「株価連動報酬」となっていたことになる。もちろん通常の役員報酬とボーナス以外に「株価連動報酬」まで受け取り、さらに不正な手段まで用いてそれを上乗せしていたことになる。

 本日(9月5日)早朝に報道陣に囲まれた西川氏は、何とこの期に及んで「(株価連動型報酬については)ケリー被告ら事務局に一任しており、適切に処理されていると認識していた」とトボけていたが、明らかにケリー被告の暴露と違っており「大ウソ」である。ケリー被告は西川氏がはっきり認識したうえで秘書室を通じて事務局に圧力をかけたと明言している。

 また西川氏は、2017年4月に代表取締役社長兼CEOの座をゴーンから譲られているが、その時点でゴーン被告あるいはルノー本社から「最もゴーンやルノーを裏切らず、日産自動車から搾り取れるものはすべて搾り取れる日本人である」と評価されたことになる。それだけが西川氏の存在価値だったことになるが、日本経済には不要の人物である。

 そんな西川氏が、今度は2018年11月19日にゴーン被告とケリー被告を東京地検特捜部に売り渡すことになる。その理由はただ一つ、同年春頃から日産自動車とルノーの経営統合についてゴーン被告から聞かされていたものの、その新会社の最高幹部に自分の名前がなかったからである。

 日産自動車をルノーに売り渡すことを「食い止めよう」などと考えたはずはなく、ひたすら自分のことだけを考えた行動である。また西川氏は、ゴーン被告を東京地検特捜部に売り渡した理由(ゴーンの不正報酬)と同じような不正を自分も同時期に行っていたことになる。

 しかもゴーン被告とケリー被告を東京地検絵特捜部に売り渡す時に、自分の不正は大目に見てもらえると思ったはずである。先にチクった方がいろいろ有利になることは事実である。ところが東京地検特捜部は(たぶんそれらしきことは言ったはずであるが)それをそのまま守るほど「お人よし」ではない。

 ただ今まではゴーン被告とケリー被告を「有罪」にするための証言を西川氏らから引き出すために、波風を立てないようにしていただけである。そしてそれが一段落したため、今度は西川氏も捜査対象に加えようとしているはずであり、それが先ほど書いた「何で今頃になって各社が(西川氏の不正を)急に取り上げるようになったか」の答えである。東京地検特捜部くらいになると世論も気にするもので、そのためにマスコミにリークして「(西川は)こんな悪い奴なんですよ」と世論を洗脳させるものだからである。

 ゴーン被告という「重し」が取れた日産自動車は、2019年4~6月期の営業利益が前年同期比99%減のわずか16億円であった。ところが西川氏はそこでも自らの経営責任には全く触れずゴーン被告の「行き過ぎた経営」の弊害であると平然と述べ、生産体制の見直しと称して12,500人もの首をあっさりと飛ばしてしまった。西川氏の経営能力はゼロである。

 ここまで日産自動車の業績が悪化すると、それまでさんざんルノーの業績をかさ上げしてきたところから、今度はルノーにとってもお荷物となるため、西川体制のままなら今度は日産自動車そのものが「路頭に迷う」結果になりかねない。

 ゴーン被告はもちろん「真っ黒」であるが、西川氏も負けずに「真っ黒」である。日産自動車のためにも事件の第2幕を早く上げたほうがよさそうである。そうでないと日産自動車そのものが「腐ってしまい手遅れになる」からである。

2019年9月6日

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