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コロナウイルスと世界経済と株式市場

| 中央銀行・金融情勢・提言編 | 株式編 | 世界 | 経済編 | 世界 | 2020年8月14日 |

 本年2月中旬まで上昇を続けていた世界の株式市場は、まだ中国以外でコロナウイルス感染者がほとんど出ていなかった2月下旬から急落し、同じくまだ世界の感染者が本格的に増加する前の3月中~下旬に底値をつけた。そしてその感染者が再拡大し実際に世界経済や各国の企業業績が大きく落ち込む現時点では本年高値をほぼ回復している。

 NYダウは2月12日に29551ドルの史上最高値をつけた後、3月23日に18591ドルまで急落し、昨日(8月13日)は27896ドルまで回復している。ハイテク企業が多いNASDAQ市場に至っては3月23日の6860ポイントの安値から、昨日は史上最高値の11042ポイントとなっている。

 日経平均も1月20日の24083円(2月21日もまだ23386円だった)から3月19日の16552円まで急落し、8月13日は23242円まで回復している。

 その理由は、米国は3月末~4月にかけて3兆ドルの財政支出を行い、その前にFRBが3月中旬~5月下旬にかけてほぼ同額の資産購入を行い国債発行増を肩代わりし、EUも追随したからである。日本も「形だけ」は追随したものの中身はお粗末であるが、米国の株高のお陰で日経平均も「かなり」上昇している。

 先述のようにコロナウイルスの感染者が世界的に再拡大し、2020年4~6月期の米国GDPが前期比年率換算32.9%減、EUも年率換算40.3%減となった。日本は8月17日に発表されるが、民間の予想平均は前期比年率換算26.3%減となっている。

 これは2020年4~6月期だけで(年率換算ではなく)米国と欧州経済だけで550兆円近くGDPが減少したことになり、日本のGDPもピークだった2019年7~9月期から2020年4~6月期までに52兆円(9.6%)も減少すると予想されている。

 世界経済は2020年7~9月期には、コロナウイルス感染拡大の終息で急回復すると予想されていたが実際はかなり「怪しく」なっている。当然に企業業績も一部ハイテク企業や製薬企業を除いて大きく落ち込み、大半の後進国では財政赤字拡大と通貨下落に見舞われ、国際政治も米中間の緊張拡大だけでなく世界各地でキナ臭くなっている。

 そういう中での株価上昇である。先進国だけでなく経済・金融危機の一歩手前である後進国でも、株価はペースは遅いものの「回復」している。

 その背景にはもちろん世界的な金融緩和・量的緩和があり、有り余る投資(投機)資金が経済活動にではなく世界の株式投資に向かっているからである。また経済活動が回復しない限り本格的に上昇しない資源など商品市場にも、金や銅など一部には投資(投機)資金が流れ込んでいる。

 そもそも世界の株式市場における今回の(2月下旬~3月下旬)急落の「1つ前の急落」は、2016年6月の英国のEU離脱時であった。つまり世界の株式市場は、経済の不振とか国際紛争など「ありきたり」の悪材料では、一時的に下落してもすぐに「何事もなかったかのように」上昇を続けてきた。そこで英国のEU離脱とか、今回のコロナウイルスなど「今まで見たことがなく、その影響がすぐには読み切れない材料」が出たときにパニックが広がり株価急落となる。その時はそれまで安易に積みあがっていた世界のポジションが一気に解消されるため「びっくりするほどの」急落となってしまう。

 しかし現在のコロナウイルス再拡大は「少し前に見た材料」であり、そこで世界的な金融緩和・量的緩和が再出動した「危機対応能力」もまた期待できるため、パニックにならず株価が再度急落することはない。「危機対応能力」が発揮されれば世界経済も企業業績も回復するため、株価も回復するなら投資(投機)資金も潤沢にあるので「早く買っておかなければならない」となるからである。

 英国のEU離脱も、いくらモタモタしようとも、その後の世界の株価下落を引き起こしたことはない。そう考えると世界経済の減速はリーマンショック以降「何度も見てきた風景」であり、米中間の緊張激化も2年以上続いているため、どちらも改めて株価の下落材料にはならない。

 それでは「危険な兆候」はないのか?

 それは米国の長期金利(10年国債利回り)が0.5~0.7%のレンジから一向に上昇しないことである。長期金利というものは、仮に政策金利がゼロでもマイナスでも、また中央銀行が国債など長期債を買い入れていてもいなくても、ひとたび経済活動に対する市場の「見通し」が改善すれば「すぐに」上昇するものである。

 その米国の長期金利は2018年秋には3.2%、2019年末にも1.9%あった。現在は株価がいくら上昇しても0.5~0.7%のレンジである。長期金利が上昇しないということは米国経済の潜在成長率が低下を続けており、日本が大先輩であるが「いくら金融緩和・量的緩和を続けても」経済が一向に回復しないことになる。

 現在の世界の株価上昇は、特に米国経済がFRBの金融緩和・量的緩和で「いずれ」回復し、現在の世界の株価水準を正当化するという「期待」に基づいている。

 それが「実際にはもう崩れている」ことになる。後はそれを世界が「どのタイミングで認識するか」である。たぶんなかなか認識せず、何かをきっかけに株価が下落を始めれば一気に世界の株式市場に伝播していくことになる。その「きっかけ」とは、今まで見たこともなく、その影響が計り知れない「何か」である。

 今まで見たことがない「何か」を、今から予測することは不可能である。

2020年8月14日

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