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コロナウイルスの影響をもう少し長い目で検証してみよう

| 中央銀行・金融情勢・提言編 | その他 | 日本 | 欧州 | 米国 | 政治・政策提言 | 日本 | 欧州 | 米国 | 株式編 | 世界 | 経済編 | 世界 | 2020年4月16日 |

 日本時間本日(4月16日)午前中におけるコロナウイルスの世界の感染者は200万人、死者は13万人を超えた。世界の感染者は4月2日に100万人を超えたばかりであり、たった2週間ほどで倍増したことになる。

 米国の感染者が63万人と突出しているが、その米国でも死者が米国を上回る欧州でも「感染拡大はピークを過ぎた」との楽観的な予想が出始めている。それに加えてとくに米国の思い切った流動性供給と財政出動のおかげもあり、世界の主要株式市場も今回の急落幅の4割前後を取り戻している。

 さて今回のコロナウイルスの世界経済や金融市場に対する影響は2008年のリーマンショッククラスとも、それ以上とも言われている。リーマンショックとは世界の金融機関が「勝手に身の丈を超えたリスクを抱え込み、勝手に倒れていったもの」であるが、今回のコロナウイルスは各国政府が自ら経済活動にブレーキをかけざるを得ず、その影響は全国民に及ぶことになる。

 ところでリーマンショック以降の経済対策とは、中央銀行が金利を必要以上に引き下げて一部ではマイナス金利を定着させ、また中央銀行が必要以上に資産を購入してバランスシートを膨らませたにもかかわらず(FRBだけは一時的にバランスシートの縮小に踏み込んだものの1年足らずで停止した)経済が本格回復せず、結局のところ「金利は引き下げたまま」「中央銀行のバランスシートは膨らんだまま」で維持されてきた。

 とくにこの状態のデメリットについては、よくわからないまま10年以上が経過しているのである。

 そこに今回、コロナウイルスの猛威が襲ったわけである。とりあえず世界の中央銀行は利下げ余地があればほぼゼロ金利まで利下げし、利下げ余地のないECBなどは年内に1兆1000億ユーロもの資産を購入する。FRBは2015年以来のゼロ金利に戻して内外市場に大量の短期資金を供給するとともに、3月15日以降の4週間で1兆2000億ドルの資産を購入している。

 また米国政府もEUも経済対策に巨額財政資金を投入している。

 それではこれで世界経済は回復に向かうのであろうか? 株式市場はすでに回復し始めているが、経済状況の「一致指標」である各国長期金利(長期国債利回り)と商品市況(CRB指数)をリーマンショック時から比べてみる。経済活動が活発になれば資金需要が出て長期金利は上昇し、同時に商品需要が増大しCRB指数も上昇するはずである。

 長期金利は代表的な米国10年国債利回りを取り上げると、リーマンショック直前の10年国債利回りは5.2%で、それがリーマンショック直後の2008年12月には2.0%まで低下した。その直後にFRBが1.7兆ドルものモーゲージ関連債券を買い入れたため景気回復期待が出て10年国債利回りは4.0%まで上昇するも、その後は1.5%~3.0%のレンジが2020年初めまで続く。

 一方でCRB指数は、リーマンショック後の2011年4月に370の戻り高値を付けている。これはリーマンショック直後の世界的な金融緩和で投資資金が商品市場にも向かっただけで世界的な生産活動が回復したわけではなかった。CRB指数は2度目の中国ショックのあった2016年2月に163まで下落し、2020年初めまでは163~202のレンジであった。

 つまりリーマンショック以来、10年にわたる世界的な金融緩和・量的緩和は、世界の生産活動を活発化させることはなく、そのままズルズルと金融緩和・量的緩和が継続されていたことになる。

 そこに今回のコロナウイルスが襲った。世界の中央銀行は「そこから」さらに利下げし、さらに量的緩和を拡大し、さらに未曽有の規模で財政出動に乗り出し、財政の悪化に伴う国債利回りの上昇を未曽有の量的緩和で抑えることになる。

 直近では米国10年国債利回りが0.62%(リーマンショックの真っ最中でも2.0%あった)、CRB指数に至っては123と史上最低水準で、2011年4月の3分の1の水準である。

 少なくとも米国10年国債利回りとCRB指数をみる限り、今回のコロナウイルス対策の金融政策と財政政策は世界の生産活動を(今はブレーキをかけているのでやむを得ないが)活動再開となっても大きく回復させるようには見えない。

 そこへリーマンショック以降の(今回さらにアクセルがかかった)金融政策と財政出動のデメリットがまだよくわからないままである。とりあえず世界の株式市場に「さらなるバブル資金」が向かうことになりそうである。そしてそれは世界経済の現状を大きく見誤らせることにもなる。

2020年4月16日

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