2020/03/27(金)

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闇株新聞

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ここからどうなる世界の株式市場

| 株式編 | その他 | 世界 | 日本 | 2020年3月27日 |

 コロナウイルスが世界的に拡散し、それに伴うパニックと経済活動の落ち込みにより世界の株式市場は急落した。日本時間本日(3月27日)午前4時現在、全世界で確認されたコロナウイルスの感染者数は50万人、死亡者数も2万3000人をそれぞれ超え、共にほぼ1週間で「倍増」している。

 世界の株式市場は、2度目の中国ショック(急激な人民元安により中国経済への不信感が高まり世界の株価が急落した)に襲われた2016年2月をボトムに、つい先月である2月中旬までの4年間、上昇を続けていた。

 そして2月24日から「たった4週間」で、その上昇幅の大半を失ってしまった。

 NYダウは2016年2月の安値・15973ドルから2020年2月12日の史上最高値・29551ドルまで85%上昇し、3月23日には18591ドルと4年間の上昇幅の81%を失った。

 日経平均も2016年2月の安値・14952円から、同じ2020年2月12日の23861円(注)まで60%上昇し、3月19日には16552円と4年間の上昇幅の82%を失った。

(注)日経平均のこの間の高値は2018年10月2日の24270円であるが、ほとんど水準が同じであるため米国が史上最高値となった日に合わせた。

 ドイツのDAX指数は2016年2月の安値・8967ポイントから2月19日の史上最高値・13789ポイントまで53%上昇し、3月18日には8441ポイントと4年間の上昇幅の111%を失った(つまり2016年2月の安値を下回った)。

 ここで世界の経済状況を「ほぼリアルタイム」で反映すると考えられる米国長期金利(10年国債利回り)は2018年3月の3.23%、同じく商品市況全般を示すCRB指数は同年5月の202ポイントを高値に、どちらも株式市場より2年近く早い時期にピークアウトしている事実は重要である。

 急落した世界の株式市場は、そこから反発している。

 3月26日にNYダウは22552ドルまで反発し、安値となった3月23日から「たった3営業日」で史上最高値からの下落幅の36%を回復している。

 3月26日の日経平均は18664円まで反発し、同じく下落幅の28%を回復している。DAX指数も10000ポイントちょうどと、やはり下落幅の29%を回復している。また本日(3月27日)朝方の日経平均は19000円台を回復している。

 回復の理由は、とくに米国が未曽有の金融緩和(量的緩和)に踏み切り、さらに2兆ドルもの経済対策(財政出動)に踏み切ったからである。

 もう少し詳しく見ていくと、金融緩和ではFRBが3月3日に0.5%、15日(日曜日)に1.0%の緊急利下げに踏み切り、リーマンショック直後から2015年12月まで続けたゼロ金利(政策金利が0.0~0.25%)に戻した。

 さらに短期金融市場に大量の資金供給を行うとともに、3月15日には米国債やMBS(住宅ローン担保付き債券)を向こう数か月間で7000億ドル買い入れる本格的な量的緩和も再開している(2019年10月からスタートしていた月間600億ドルの短期国債買い入れも継続する)。

 さらにECBや日銀など主要の中央銀行とドル資金供給の仕組みを整え、3月19日には対象となる中央銀行を拡大し、さらに23日には量的緩和を「無制限」としたが、まだまだ世界の株式市場は急落を続けていた。つまり金融政策だけでは株価急落を食い止められなかったことになる。

 潮目が変わったのはトランプ政権が(当初は)1兆ドルだった財政出動を2兆ドルまで拡大し、議会との調整が進捗し始めた今週初めである。今週月曜日の3月23日に18591ドルの安値を付けていたNYダウが急反発し、26日には上院が財政出動を反対ゼロで承認した。下院でも間もなく承認されるはずである。

 日本時間3月26日の深夜に行われたG20電話会議では、全世界で5兆ドル(550兆円)の財政出動に踏み切ることが合意されている。ただ量的緩和を3月12日と18日に大幅に拡大させたEU(ECB)や、ETFの買入額拡大と東京オリンピック中止が避けられただけの日本を含む「米国以外の大半の国」では、具体的対策はこれから練ることになる。

 つまり世界の株式市場は、コロナウイルスの爆発的な感染拡大を受け、まず米国が未曽有の量的緩和さらには財政出動に踏み切ったため「辛うじて」底割れの事態を回避することができたことになる。

 しかし主要国は感染拡大を食い止めるため、自ら経済活動を制限せざるを得なくなっており、実際の世界経済や企業業績や雇用状況がどれほど落ち込むかは、まだ予測不能である。

 今回は「底割れ」を食い止めた世界の株式市場は、急落の反動もあり「もう少し」反発すると思われるが、世界経済や企業業績や雇用状況などの「実態」が想定以上に悪化するなら(その可能性が大であると危惧するが)、今度こそ「打つ手」がなくなってしまう。

 今回も金融政策だけではほとんど無力であることが確認されたが、既に急拡大している世界の債務残高があるため、財政政策ばかりに頼るとその弊害も大きいことになる。

 株式市場だけでなく世界経済が「正念場」にきていると感じる。

2020年3月27日

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