2019/12/05(木)

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闇株新聞

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米国短期金利上昇の「怖い理由」

| 中央銀行・金融情勢・提言編 | その他 | 日本 | 欧州 | 米国 | 2019年9月19日 |

 9月18日に開催された米FOMC(連邦準備理事会)では、大方の予想通り0.25%の利下げが行われ、同日午後から政策金利であるFF翌日物誘導金利は1.75~2.0%となった。投票権のある10名のFOMCメンバーの評決は8:2だったようである。

 ただFOMCメンバー17名全員の年内の政策金利予測(ドットチャート)の中央値は1.75~2.0%と、年内はこれ以上の利下げは予測していないことになり、NYダウは一時200ドル下落したが、終値では36ドル高となった。

 さらにFOMC後の記者会見でパウエル議長は「景気が悪化すれば追加利下げもありうる」とか「FRBは保有資産の自然な増加を容認する」など、トランプ大統領に気兼ねしてか「ハト派」的な発言に終始した。

 さて、ここまでは全く何の波乱もなかったように見えるが、実は水面下では10年ぶりの「不気味な現象」が起こっていた。利下げ前日の17日から短期金利が政策金利であるFF翌日物誘導金利の上限を突破しており、とくに利下げ当日の18日は利下げ発表前の正午前後には2.6~3.0%まで上昇していた(利下げ前の誘導レンジは2.0~2.25%)。

 FRBはその短期金利を引き下げるため、レポ市場を通じて17~18日の2日間で1250億ドル(13.5兆円)もの資金を短期市場に供給し、ようやくFF金利を(利下げ前の)誘導レンジ内である2.1~2.25%に引き下げた。政策金利が誘導金利のレンジを突き抜けるのは10年ぶりのことである。

 政策金利と直結するFF市場に「あからさまに」介入もできないため、国債などを担保にする「より自由な金融市場」であるレポ市場に大量の資金供給をした方が「作為」が感じられないからであるが、実際はそのレポ金利のほうが大きく跳ね上がっており、一時10%にまで達していた。

 そんな中でFRBは利下げを強行したわけである。当然にように19日以降も十分な資金を短期市場に供給することになるが、問題はそんな単純なものではない。

 確かに9月末は米国の会計年度末であり資金需要も大きいが、それでも短期金利が政策金利の誘導レンジを突き抜けるのは「尋常」なことではない。これはFRBでも日銀でもECBでも同じであるが、短期市場の日々の需給関係をよく読み、過不足があれば事前に資金供給などで対応しておき、政策金利の誘導レンジから大きく逸脱することなど「まず」考えられないからである。

 つまり今回は、事前に全く予想もできなかった短期資金の調達が「突然に」押し寄せてきたことになる。

 一部の新聞には、FRBの超過準備預金がピークで2.1兆ドルあったところから、昨年10月からのFRBの保有資産縮小で(本年9月に中止)1.4兆ドルまで減少したことが原因と書いているが「全く」違う。1.4兆ドルでも全体としては十分すぎる量である。

 つまり米国では大半の健全な銀行が、短期の資金繰りに支障をきたしているわけでも何でもない。

 問題は米国の一部の銀行や(こちらの方が本当の理由であると思うが)一部の外国銀行の米国支店が資金不足に陥っており、短期資金(つまりドル資金)の調達に支障をきたしていることになる。

 外国銀行の米国支店は、その国のドル調達の窓口となっているため、その国全体のドル調達が困難になってきている恐れがある。そう考えると新興国はほとんどすべて、韓国、ユーロ圏でもドイツやイタリアやスペインなどの一部の銀行は、そうなっていてもおかしくはない。

 つまり米国だけでなく世界全体で信用状況の悪化(ドル調達の困難)がじわじわと広がっていることになる。結果的には(トランプに言われたからであるが)FRBの利下げは、その状態を少しだけではあるが緩和することになる。

 そういえば本日(9月19日)は日銀の政策決定会合もあったが、何も政策変更はなかった。下手に動かない方がよいが、最近になって地方銀行が外国債券を「しこたま」買いこんでいるため、その地方銀行のドル調達が困難になり金融不安とならないよう、日銀はドル供給だけは迅速かつ潤沢にできる体制にしておくべきである。

2019年9月19日

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